他人事じゃない!「狂犬病」

他人事じゃない!「狂犬病」

2006年11月、日本国内で36年ぶりに狂犬病の発症が確認されました。当時はかなりの話題となりましたが、わずか1ヶ月足らずであまり目立たなくなってしまったような印象を受けます。しかし、狂犬病は命にかかわる病ですので、すでに知っている人もおさらいを兼ねて、まだ知らない人はぜひこの機会に、狂犬病についてこれから見ていきましょう。

狂犬病とはどんな病気?

狂犬病は、簡単に言えばウイルス性の病気です。「狂犬病」という名前から犬だけが感染する病気と思われることが多いかもしれませんが、すべての哺乳類で感染する危険性があります。

狂犬病の症状としては、犬の場合は興奮し攻撃的な行動を示したり、麻痺のような症状を示し、立っていられなくなったりする症状が出ることがあります。一方、人間が狂犬病に感染した場合、錯乱状態に陥ったり、水や風を恐れるようになったりし、やがて呼吸障害を引き起こし死に至るということです。狂犬病には潜伏期間があり、発症までにはある程度の期間がありますが、一度発症してしまうと効果的な治療方法はなく、致死率がほぼ100%という非常に危険な病気です。狂犬病が発症して助かったのは現在までで1例のみということで、いかに危険な病気かうかがい知ることができるでしょう。

狂犬病の発生国は?

日本では36年ぶりの発症、しかも国内感染ではないために、私たちには決して身近とは言えない狂犬病ですが、ひとたび日本を離れれば、狂犬病の危険性がない国はほとんどありません。全世界で年間5万人以上が狂犬病によって死亡していると推計されており、特に中国やフィリピンなどアジアで死者が多く発生しています。例外的に現在狂犬病が発生していないのは、日本の他、イギリスやオーストラリア、台湾など島の地域に多いですが、これらの場所でも今後発生しないという保証はどこにもありません。

狂犬病から身を守るには?

先ほど述べたように、狂犬病は発症したらほとんど助からない病気です。そのため、もっとも効果的な方法はもちろんウイルスに感染しないことです。海外では犬や猫をはじめとする動物にむやみに近づかないようにしましょう。また、狂犬病の流行している地域にいく場合や、どうしても動物と関わらなければならない場合などは、あらかじめ予防接種を受けておくことで、危険性を減らすことができます

では、動物にかまれたなどウイルスに感染した可能性がある場合はどうしたらよいのでしょうか。まずは傷口をよく洗い流し、現地の医療機関を受診することです。さらに、帰国後にも医療機関を受診し、ワクチンを接種します。狂犬病は発症までの潜伏期間が数ヶ月程度と比較的長いので、早期にワクチンを接種することで発症を防ぐことができるのです。

国内の狂犬病

今現在、日本国内においては狂犬病は発生していませんが、輸入動物などからの再発生の危険性が指摘されています。また、飼い犬に対する狂犬病ワクチン接種が行われていますが、接種率は約5割程度と推計されており、決して高い値ではありません。ワクチン接種に関しては制度の問題なども指摘されてはいますが、狂犬病を日本で再発生させないためにも、犬を飼っている人はワクチンを接種させてくださいね。

photo credit: visualpanic via photopin cc