もしもの時の応急手当(前編)

もしもの時の応急手当

包丁で指を切ってしまった、転んで足をひねってしまったなど、けがをした時、あなたはどのような対応をとっているでしょうか?

症状が重い場合はもちろん病院に行くと思いますが、止血をはじめとする、その場での応急手当も重要になってきます。また、症状が比較的軽い場合でもその場の手当ては大事ですので、今回はその具体的な方法についてまとめてみました。いざという時に困らないためにも、知っているという方も含めてぜひご覧ください。

傷の種類別応急手当

まずは傷の種類別に応急手当の方法を見ていきましょう。

擦り傷

擦り傷は転んだときなどによく出来ると思います。砂や土などが傷口についていることも多いと思いますので、まずは傷口を水で洗い流し、その後で消毒をしましょう。出血は比較的少ない反面、傷の面積が大きくなることが多く、絆創膏では収まりきれないこともあると思いますので、清潔なガーゼをかぶせた上から包帯を巻くのが良いでしょう。

切り傷

切り傷は擦り傷と違い、傷が深くなり、その分出血が増える可能性があります。そのためまずは止血を優先させることを考えた方が良いでしょう。後に詳しく述べる止血法を参考にして止血を行ったうえで、傷が深いような場合には早めに病院に行くようにしましょう。

刺し傷

刺し傷は傷口の面積が小さいかわりに、深さは他のどの傷よりも深くなる可能性が高くなっています。一般的なとげなどの場合には、その場で抜いてしまっても構わないと思いますが、その際にはきちんと抜くことと、その後の消毒を忘れずに行ってくださいね。また、深く刺さった場合や、大きなものが刺さった場合などは無理に抜かず、病院で診てもらうようにしてくださいね。

止血法

止血の方法には、(1)ガーゼやハンカチなどで傷口を直接押さえる直接圧迫止血法と、(2)止血点を圧迫することで心臓からの血の流れを抑え、それによって出血を止める方法があります。出血がひどくない場合は前者だけで十分かと思いますが、動脈から出血し、血が勢い良く出ているような場合には、後者の方法を行うことが必要となります。止血点は指や腕、足の付け根などがありますので、手や指を使い止血点を圧迫することで止血を行いましょう。布等で止血点をきつく縛る方法もありますが、この場合は一度縛ったら病院に行くまで緩めないでください。そのことを考えると、止血点を縛る方法は安易に用いず、手や指を使って圧迫する方法をとるようにしてください。

傷の手当て番外編

今までの3種類の傷とは若干毛色が異なりますが、最後に虫刺されや動物などにかまれることによる傷についての対処法を見ていきましょう。

どちらの傷の場合も、傷そのものよりもその傷を通した毒や感染症が恐ろしいと言えます。まず、感染症の疑いのある虫や動物に刺されたりかまれたりした場合には、傷口をよく洗い流すことが重要です。細菌が体内に入り込んでしまってからでは遅いので、なるべく早めに洗うようにした方が良いでしょう。

また、毒をもっている虫や動物の場合には、すぐに病院へ行き、診てもらうことが大切です。口で毒を吸い出すことも考えられますが、その場合、もし口の中に傷があるとそこから毒素が入り込んでしまう可能性がありますので、注意しなければなりません。むしろ、毒素が全身に回ってしまうことを防ぐために、止血と同じ要領で血液の流れを抑えると良いかもしれませんね。

<参考文献>
日本救急医療財団心肺蘇生法委員会監修、日本版救急蘇生ガイドライン策定小委員会編著(2006)『救急蘇生法の指針(市民用・解説編)改訂3版』へるす出版

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