もしもの時の応急手当(後編)

もしもの時の応急手当

前回は特に傷に対する応急手当や止血に関する話題を中心にお送りしましたが、今回はそれ以外の症状に対する応急手当について見ていきましょう。

骨折やねんざなどに対する応急手当

ねんざや打撲に対しては、まず冷水などで冷やします。冷やすことで出血や腫れを軽くすることができるのです。ただし、あまり冷やしすぎると逆に神経等を痛めてしまいかねませんので、20分以上連続で冷やすのは避けてくださいね。また、氷を用いる場合などは、タオルなどを利用して直接あたらないようにしましょう。

打撲や捻挫などと違い、手足が変形している場合などは骨折している可能性が高くなります。その場合は変形した手足を動かさず、安静にします。また、移動の際にも添え木や三角巾などを用いて固定するなどし、なるべく動かさないようにしましょう。

関節が変形し、腫れているような場合には脱臼の疑いがあります。その場合には自分で元に戻そうとはせず、なるべく早めに医療機関で受診するようにしてください。へたに自分で元に戻そうとしたりすると、周辺の神経などを傷つけてしまったり、脱臼が習慣になってしまったりしてしまう可能性があります。

やけどをしてしまったら

やけどの場合にはすぐに流水で冷やすことが大事となりますが、衣服を着たままやけどをしてしまった場合には無理に脱がさず、衣服の上から冷やすようにしましょう。また、やけどの場合には冷やしすぎは良くありませんので、10分以上の冷却は避けるようにしてください。

また、水疱(水ぶくれ)は傷口を保護する効果を持っていますので、つぶさないようにしてガーゼなどで覆い、医療機関で受診するようにしてください。この際に、ガーゼは患部と密着してしまわないように注意して、そっとかぶせる程度にしてくださいね。

毒物の摂取に対する応急手当

洗剤や乾燥剤といった毒物を摂取してしまった場合には、無理に吐かせたりせず、最初に119番通報をして指示を仰いでください。というのは、摂取した物質によって必要な対応が異なるからです。また、水や牛乳などを飲ませることもしないでください。医学的根拠に乏しく、むしろ逆効果をもたらしてしまう危険性があるのです。

もしもの時もあわてずに!

これまで主な応急手当の例を見てきましたが、いかがだったでしょうか。ケースごとに対応は様々かと思いますが、ほとんどのケースに言えるのは、速やかに医療機関等を受診するという点ではないでしょうか。応急手当は「心肺停止以外の一般的な傷病に対して、その悪化を回避することを目的として市民により行われる最小限の諸手当」と定義されています。あくまで最小限ですから、応急手当のせいで病院へ行くのが遅れたりしないように注意してくださいね。

<参考文献>
日本救急医療財団心肺蘇生法委員会監修、日本版救急蘇生ガイドライン策定小委員会編著(2006)『救急蘇生法の指針(市民用・解説編)改訂3版』へるす出版

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