睡眠と認知症の意外な関係 慢性的な睡眠不足が認知症の引き金に!?

アルツハイマーの予防・治療に朗報!

忙しくて睡眠不足、という方は多いと思いますが、睡眠不足が長期的に筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病などの神経変性疾患を引き起こす可能性があることはご存知でしょうか。

睡眠不足と神経変性疾患にどんな関係があるのか、詳細は省いてなるべく分かりやすく解説していきます。

アルツハイマーの原因物質 アミロイドベータ

筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病などの原因物質として有力なのが、アミロイドベータと呼ばれるタンパク質。

アルツハイマー病患者の脳を調べると、脳の萎縮とアミロイドベータが増えていることが観測されることから、アミロイドベータが溜まり続けると上記の病気を引き起こすとされています。

アミロイドベータは脳の老廃物なので、脳に溜まった老廃物が病気を引き起こす、とも言えることになります。となるとこの老廃物の処理が非常に重要になってくることがお分かり頂けると思います。

脳の老廃物について

ここで老廃物についておさらいすると、老廃物とは体内での代謝の結果出て来る余分な物質ということになります。アンモニアなどカラダに有害なものもあるので「老廃物=毒」という場合もあります。

脳以外で出来る老廃物は、リンパが回収して肝臓へと運ばれ、無害なものへと分解されて汗や尿で排泄されるので、このシステムは単純明快です。ところが、体内で最も栄養素を必要とし、老廃物も多いと思われる脳においてはリンパがありません。

リンパがないのに老廃物をどう処理しているのか。ここが長年の謎で、老廃物が脳脊髄液の中で拡散して運ばれているというのが通説だったのですが、物理的に脳内を老廃物が1cm進むのに100時間以上かかる計算で現実的ではないことがわかりました。

睡眠の役割に関する新発見

そのような状況の中、2013年にロチェスター大学の研究グループが、脳に関する衝撃的な研究結果を発表します。それは脳の老廃物の処理に関するものです。

ロチェスター大学の研究によると脳脊髄液(CFS)が血管の外側に沿って脳内に流入、老廃物が細胞間液(ISF)から脳脊髄液(CFS)へと渡されて流されるとのこと。さらに驚きなのが、睡眠時に脳が約60%程度収縮するとともに脳脊髄液を通る管が拡大、老廃物を大量に処理しているということです。

つまり、睡眠の大きな役割の1つに脳の老廃物・毒性物質の処理があるということが分かったのです。これは、まさに脳のデトックスです。ちなみにこのシステムは、脳のグリア細胞が関わっていることから、グリアとリンパをかけ合わせてGlymphatic Systemと命名されました。

アミロイドベータは覚醒中でも処理されるのですが、睡眠時の方が遥かに効率よく処理されることも判明しました。ということは、睡眠不足の状態では老廃物が処理しきれず、結果、アミロイドベータが溜まることになりかねません。

怖いのは、アミロイドベータが、数十年かけて徐々に蓄積されること。つまり、気づいたときには手遅れとなってしまうところです。この仕組みにより、長期的な睡眠不足がアルツハイマーなどを引き起こすのではないか、ということになっています。

まとめ

なぜ全ての動物が睡眠を必要とするのかは未だはっきり解明されていません。というのも野生における睡眠はどう考えてもリスクが高い。

諸説ありますが、どれも決定的ではなく科学者達を悩ませています。そんな中で発表された、老廃物の処理をするための睡眠というのは説得力があります。寝不足でアタマがぼーっとするのも溜まった疲労物質のせいかも知れませんね。

どんなに忙しくても睡眠を軽んじると晩年後悔することになりそうです。

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